2009年11月23日(月)「しんぶん赤旗」
非正規の権利実現へ
弁護士・学者ら 全国会議結成
派遣やパートなど非正規労働者の権利実現をめざし研究や交流に取り組む「非正規労働者の権利実現全国会議」が22日、東京都内で結成されました。派遣労働、生活保護、クレジット・サラ金問題などに取り組む著名な弁護士や学者をはじめ、幅広い市民、労働者らが参加。当面、派遣法の抜本改正や派遣労働訴訟の交流、有期雇用の規制問題に取り組むことを決めました。
結成記念シンポジウムでは「正社員と同じように働き、派遣期間を超えて働かせながら雇い止めされた」(三菱東京UFJの女性派遣社員)、「一方的に賃金が下げられ、昼間は病院の非常勤、夜は同じ病院の警備で働いていた」(国立病院の非常勤職員)と告発しました。
生活保護で暮らす青年は「雇用保険もなく失業。資格や技能を身につけ、正社員で働きたい」と訴え。松下プラズマディスプレイ訴訟原告の吉岡力さんは「偽装請負を告発し、大阪高裁で勝訴した。最高裁で確定させ、全国のたたかいを支援したい」と語りました。
代表幹事に選ばれた脇田滋龍谷大学教授が基調講演。「労働法制の規制緩和から労働者が願う改正が可能な状況にある。権利実現に力をあわせよう」と呼びかけました。
専門家も「非正規雇用は自由な働き方ではない。ディーセントワーク(働きがいある人間らしい仕事)へ不安定と低賃金をなくすことが必要」(西谷敏大阪市立大学名誉教授)、「貧困にならない社会をつくることが重要。社会保障とともに雇用をしっかりさせることがカギだ」(木下秀雄大阪市立大学教授)と強調しました。
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