2009年11月27日(金)「しんぶん赤旗」
肝炎法案が衆院可決
全会一致 全患者の救済目指す
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肝炎患者の「命の叫び」がついに国会を動かしました。超党派による議員立法で、すべての肝炎患者の救済を目指す肝炎対策基本法案が26日、衆院厚生労働委員会と本会議で、全会一致で可決され、参院に送付されました。今国会で成立する見通しです。
国内のウイルス性肝炎患者・感染者は推計約350万人。2008年1月に成立した「薬害C型肝炎被害者救済特別措置法」では、救済対象となる患者が薬害肝炎訴訟の原告らごく一部に限られており、原告団も、B型肝炎患者らも新たな支援法を強く求め、声を上げ続けてきました。
法案は、前文でB型・C型肝炎にかかわるウイルス感染には「国の責めに帰すべき事由によりもたらされ…たものがある」とした上で、肝炎対策を総合的に実施する「国の責務」を明記。具体的には「肝炎患者の療養に係る経済的支援」などをあげ、付則には「肝硬変及び肝がんに関する施策の実施」も盛り込みました。
肝炎対策の法案は、与野党協議による早期成立は可能でしたが、7月の衆院解散でいったんすべてが廃案になりました。
民主党は、与党となった今国会でも当初は、肝炎法案を課題に挙げていませんでした。しかし、患者団体が「1日120人が亡くなっている」との現実を突きつけて成立を求める中、19日には、全会派による各派協議会が立ち上げられました。
日本共産党は「命の問題を最優先に」との立場から、早期成立を一貫して要求。今回の協議にあたった高橋ちづ子衆院議員は超党派の合意のために全力を尽くしました。
26日の厚労委員会では傍聴席で患者らが涙を浮かべ、本会議では笑顔で可決を喜び合いました。