2009年11月28日(土)「しんぶん赤旗」
正義の公正判決を
パナソニック偽装請負 原告が陳述
最高裁
パナソニック(旧松下)プラズマディスプレイ(大阪府茨木市)で働いていた元請負会社社員の吉岡力さん(35)が、偽装請負を告発後、不当解雇されたとして地位確認などを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)は27日、弁論を開きました。社会問題となった偽装請負に対して最高裁が初めて判断を示すもので、全国で同じようにたたかわれている裁判や労働局への申告にも影響を与えるとして注目されています。判決は12月18日になりました。
吉岡さんは「大企業が多くの若い人たちをだましつづけてきたことに対してだれかが声をあげなければいけないと思いました。社会正義にのっとった公正な判決を下してほしい」と陳述しました。
吉岡さんは、製造業への派遣解禁前の2004年1月から偽装請負で働かされていました。労働局への告発や労働組合の団体交渉を受けて松下側はいったん期間工に直接雇用したものの、隔離され必要性のない作業に従事させ、わずか5カ月で雇い止めしました。
一審の大阪地裁では敗訴したものの大阪高裁は昨年4月、「黙示の労働契約が成立している」とし、雇い止めも無効と判断。隔離作業も報復行為にあたるとして慰謝料の支払いを命じました。
弁論で吉岡さんの弁護団は、「偽装請負を行い、使用者責任を回避し続けてきたことは極めて悪質」と批判しました。
使用従属関係をみれば「黙示の労働契約」の成立は明らかであり、契約更新が繰り返されていることから雇い止めも解雇権の乱用で無効だと指摘。隔離作業も、労働局申告など正当な行為に対する報復であって許されないと主張しました。
吉岡さんは弁論後、記者会見し、全国の非正規労働者のために公正判決を勝ち取りたいとのべました。