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2009年12月2日(水)「しんぶん赤旗」

社会主義で私有財産はどうなる?


 〈問い〉「社会主義になると個人の財産はとりあげられる」と言う人もいます。日本共産党は、社会主義の日本でも個人の財産は守られるという立場だと聞いています。詳しく教えてください。(愛知・一読者)

 〈答え〉日本共産党が、将来の日本で社会主義・共産主義の社会への前進を展望しているのは、社会から貧困を無くし、国民の生活をいっそう豊かにするためです。

 その際、住宅や家財、生活用品や消費財、娯楽・教養・スポーツ用品など、個人が所有する財産(経済学では「生活手段」と呼びます)は当然、全面的に尊重されます。そのことは、「生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じて、私有財産が保障される」と党綱領にも明記し、繰り返し明らかにしてきました。

 日本共産党は、当面は、「国民が主人公」の立場で資本主義の枠内での改革を徹底してすすめ、「ルールある経済社会」に切りかえることをめざしています。そして、将来、その成果をふまえて、資本主義そのものを乗り越えた社会への前進をめざします。

 資本主義の時代には、生産手段(工場の建物や機械・設備、原材料など)をもっている資本家と、生産者である労働者は切り離されています。そのため、生産手段は、企業がもうけるためのものとなり、働く人々は安い賃金で長時間働かされ、過労死や失業などによって苦しめられています。

 社会主義・共産主義の社会への前進にあたって、資本主義の弊害をおおもとから解決するカギとなるのは、「生産手段の社会化」です。つまり、資本家がもっている生産手段を、実際に生産を担う人々による共同の所有と管理・運営のもとへと移すことです。「社会化」されるのは、生産手段だけであり、国民の財産(生活手段)をとりあげることはありません。

 それによって、もうけのためではなく、社会全体の利益のために生産がおこなわれるようになり、すべての個人の能力の全面的な発達を保障できる社会への発展の道が開かれます。(石)

 〔2009・12・2(水)〕


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