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2009年12月7日(月)「しんぶん赤旗」

COP15 失敗許されない

国際合意を求め欧州各地でデモ


 【ロンドン=小玉純一】地球温暖化対策の国際的枠組みを協議する国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が7日、コペンハーゲンで始まります。京都議定書の第1約束期間(2008〜12年)後、13年以降の枠組み合意をめざします。18日までの予定で同日には首脳会合も持たれます。


 これまでの事務レベル交渉では発展途上国と先進国が対立し、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減でどこまで拘束力をもった合意を達成できるかが焦点です。

 途上国は、先進国の歴史的なガス排出責任を指摘し、20年までに40%削減や、途上国の対策資金と技術提供を要求しています。

 一方で先進国、とくに日米は、排出量を増大させている中国、インドなど新興国の排出抑制を国際的に義務化することを主張してきました。

 先進国が科学者の求める25〜40%水準で先進国全体の削減目標を示さず、資金援助も十分具体化しないままで、途上国には義務化を要求しているとして、途上国の反発を買ってきました。

 COP15が近づくにつれ「コペンハーゲンを失敗させるな」という国際世論が強まるもと、新興国のインドネシア、ブラジル、中国、インドが削減の自主目標を次々発表。米国も中期目標を発表し交渉機運も高まってきています。

 さらに開催国デンマークが会議の成功へ政治決断を求めて各国首脳の参加をよびかけ、5日までに100カ国近い首脳が参加意思を表明。オバマ米大統領も5日、当初の参加日程を変更し首脳会合がある18日の参加を決めました。

 気候変動枠組み条約のデブア事務局長らは、コペンハーゲンでの合意に▽先進国のガス削減目標▽途上国のガス排出抑制行動▽途上国への資金拠出▽京都議定書延長や新しい議定書など法的枠組み合意の期限―などを盛り込むことを想定しています。


「貧しい人守れ」「早く行動を」

 【ロンドン=小玉純一】国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)開幕直前の5日、欧州各地で、地球温暖化防止の公平な国際合意を求めてデモ行進が行われました。

 ロンドンのデモ行進にはイングランド各地から5万人が参加(警察発表は2万人)。「最も貧しい人を守れ」「公平に早く行動を」などのプラカードを掲げ、米国大使館前の広場から国会議事堂まで2時間弱のコースを太鼓をたたき、笛を鳴らしながら行進しました。

 デモ出発前、主催団体のポール・ブラネン氏がスピーチし「この国で産業革命が始まった。気候変動も始まった。それを償う緑の革命はどこにあるのだ」と英国政府の特別の責任を問いました。

 中学生の娘と参加したケイトさんは「2020年までに40%を」と先進国の温室効果ガス削減を求めるプラカードを掲げ、「人類と野生動物のすむ地球を守りましょう。法的拘束力ある国際合意を求めます」と話しました。

 ベルギーのブリュッセルでも同日、COP15での国際合意を求めるデモが行われ、1万5000人が参加しました。また、同地からはベルギー、フランス、ルクセンブルクの政府代表団とNGOなどの活動家数百人を乗せた列車「気候エクスプレス」がコペンハーゲンに向けて出発しました。

 ベルリンのブランデンブルク門の近くでは、活動家が米国、ドイツ、中国などの各国指導者に扮装(ふんそう)。少しずつ水が流れ込む巨大水槽の中でテーブルを囲むパフォーマンスを繰り広げました。



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