2009年12月10日(木)「しんぶん赤旗」
おかしいゾ
公約覆す 鳩山税制
住民税扶養控除「維持」→「廃止」
中小企業減税「実施」→「先送り」
金持ち優遇は温存
鳩山政権のもと、2010年度税制「改正」にむけた政府税制調査会(会長・藤井裕久財務相)の議論が大詰めを迎えています。総選挙の時に“やらない”といっていた住民税の扶養控除は廃止し、“やる”といっていた中小企業減税は先送り。大企業・大資産家への優遇税制は温存しようとしています。
政府税調はすでに、所得税と連動して住民税の扶養控除を廃止する方針を固めています。
扶養控除が廃止されることで、幅広い社会保障制度への連鎖的な負担増が懸念されています。
民主党は、総選挙時の政策文書で住民税の扶養控除については「見直しの対象にせず」としていました。この公約を覆して、庶民にいっそうの増税を求めようとしています。
さらに、政府税調は「財源難」を理由に、中小企業向けの法人税減税の2010年度からの実施を見送る方針を固めました。
民主党はマニフェスト(政権公約)で、現行18%の「中小企業の法人税率を11%に引き下げます」と公約していました。
一方、大企業を優遇している研究開発減税の上乗せ措置について政府税調は当初、「見直す」方針を打ち出したものの、「(導入後)1年しかたっていない」ことを理由に、あっさり2年間の延長を決めました。
さらに研究開発減税の本体部分については、「基本のところ(の見直し)をやれといっているわけでない」(峰崎直樹財務副大臣)と最初から見直すつもりはありません。
上場株式等の譲渡益や配当に対する税金の税率を10%(所得税7%、住民税3%)に軽減し、一部大資産家を優遇している証券優遇税制については、来年度税制「改正」の対象にすらあがりませんでした。
アメリカでも株のもうけの税率は最高25%強(ニューヨーク市の場合)となっています。しかも、オバマ政権は、さらに5%の引き上げを提案しています。世界的な景気低迷のもと、低所得者の負担減とともに富裕層への負担増が世界の流れです。証券優遇税制を見直さない鳩山政権の異常さが際立ちます。
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