2009年12月10日(木)「しんぶん赤旗」
薬保険外化・入院食費値上げ反対
「仕分け」批判次々
社保審部会
8日の社会保障審議会の医療保険部会で、類似の市販品がある医療用薬品(市販品類似薬)を医療保険の対象から外すとの結論を出した行政刷新会議の事業仕分けに対して、厳しい批判が相次ぎました。
事業仕分けは「市販品類似薬を保険外とする方向性」を「結論とする」と明記。議論の中で示された資料には、湿布薬・うがい薬・かぜ薬・漢方薬が例示されました。厚労省側は、▽患者の負担が増える▽医療用薬品と同じ成分を含む漢方薬が市販品にあるとは限らない―などの問題点を列挙し、専門家や患者の意見をきく必要があると説明しました。
委員からは、「市販品と違い、医者は患者の体重や体調に合わせて薬の量を調整する。そういったことを(事業仕分けは)勘案したのか」「一律に保険から外すことはたいへん問題が大きい」「本当に必要なものにまでネガティブ(否定的)な影響を及ぼす」など反対意見が噴き出しました。
事業仕分けが、一般病床に入院する際の食費を引き上げ、居住費の自己負担を求める方向で「見直しを行う」としたことについても、「(病院の食事は)治療の一環だ。負担を強いるのはおかしい」「(居住費の自己負担は家賃と)まさに二重負担になる。私たちは反対だ」など異論が続出しました。