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2009年12月13日(日)「しんぶん赤旗」

COP15コペンハーゲン

合意文書案テキスト提示

2議定書採択が前提

米「受け入れ難い出発点」


 【コペンハーゲン=坂口明】コペンハーゲンで開催中のCOP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議)で11日、同条約と京都議定書の二つの特別作業部会の議長による合意文書案テキストが提示されました。COP15で採択される、法的拘束力のある政治合意文書の土台となりうるものですが、COP15の交渉で両文書がどのような扱いになるかは今後の議論にかかっています。

 このうち、京都議定書から離脱した米国も加わる「枠組み条約作業部会」のテキストは、温暖化防止のビジョンとして、産業革命以降の気温上昇を2度以内に抑えるか、1・5度以内に抑えるかの2目標を例示しています。

 2050年までの温室効果ガス削減の目標としては、1990年比で(1)50%(2)85%(3)95%―の選択肢を提示。先進国の長期削減目標として、(1)75〜85%(2)少なくとも80〜95%(3)95%以上―を掲げています。

 20年までの先進国の中期削減目標としては、(1)少なくとも25〜40%(2)30%台(3)40%(4)45%―の四つの選択肢を提示。米国にも他の先進国と「比較可能な」削減を求める内容となっています。

 途上国での削減については、あくまで「自発的行動」としつつ、「新たな対策をとらない場合」(BAU)と比べ15〜30%削減の目標を提示しています。

 テキストは、京都議定書と新議定書の二つの議定書の採択を前提とした表現になっています。途上国の対策への資金援助など一連の重要論点は、十分煮詰められないままです。

 一方、「京都議定書作業部会」の議長テキストは、同議定書の修正案を示し、▽20年までに先進国は90年比で30〜45%削減▽21年以降の「第3約束期間」の実施を検討―などをあげています。

 スターン米代表団長は11日の記者会見で条約作業部会のテキストに触れ、「京都議定書型の削減対策は、(米国にとって)受け入れ可能な出発点ではない」と語りました。



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