2009年12月13日(日)「しんぶん赤旗」
生活保護充実ともに
餓死教訓に 市が市民と研修会
三重・桑名
三重県桑名市役所で12日、生活保護の研修会と相談会が開かれました。生活保護問題対策全国会議、東海生活保護利用支援ネットワークと、桑名市が共催したもの。
同全国会議では、行政との共催は例がなく、画期的だとしています。会の開催に当たっては日本共産党桑名市議団などが力を尽くしました。
桑名市では今年4月、生活保護を打ち切られた男性(当時53歳)が餓死状態で発見された事件があり、10月には、同全国会議が現地調査に入っています。研修会では、この調査に基づいて、桑名市に生活保護行政の改善を求める意見書も手渡されました。
研修会には、行政関係者や議員を含む約120人が市内外から参加。吉永純・花園大学教授が講演し、東海支援ネットの森弘典事務局長が相談活動の状況を報告しました。
吉永氏は、生活保護率が先進国で際立って低い日本の実態を指摘して、生活保護の積極的運用を訴え、その原則や運用法を詳しく紹介しました。
参加者からは「『役所に生活保護申請を拒否する権限はない』など、あらためて勉強になった」などの声が寄せられました。
相談会では、全国会議や東海支援ネットメンバーの弁護士や専門家と市職員が共同で相談者に応対。用意された七つのブースは、すぐいっぱいになり、その場で保護申請を受理される人もいました。
この日のとりくみについて、桑名市の飯田寛・福祉総務課長は「(餓死事件では)厚労省の監査も受けており、職員のスキル(技能)アップを図らねばと思っています。研修・相談会は、そのいい機会」だと話し、同全国会議の尾藤廣喜代表幹事は「市がよく決断された。私たちの意見をまじめに受け止め、改善されようとしていることを評価したい」としています。
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