2009年12月17日(木)「しんぶん赤旗」
COP 首脳級会合始まる
EU “拘束力ある目標要請”
米国 “目標義務づけに反対”
【コペンハーゲン=坂口明】コペンハーゲンで開催中の国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は16日午後(日本時間同日夜)、COP史上初の首脳級会合の討論が始まり、閉幕予定の18日まで約120カ国の首脳らの発言が続きます。
15日夜には開会式典が開かれ、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長はあいさつで「法的拘束力を持った(温暖化対策の新たな)条約を2010年までに合意を。この合意が成立するまでは、法的拘束力ある唯一の条約である京都議定書の存続を」と訴えました。
COP15では、会議成功の第1の条件である先進国の野心的な温室効果ガス削減目標をめぐり、議論が高まっています。
温暖化防止で世界のリーダーを自認する欧州と、京都議定書を離脱したままの米国との間で、なお主張に開きがあり、応酬が続いています。
欧州連合(EU)現議長国スウェーデンのカールグレン環境相は15日の記者会見で、「EUは(COP15合意で)、法的拘束力を持った経済全般に及ぶ目標を求めている」とし、米国が拘束力ある目標を持つよう要請しました。
これに関連して欧州委員会のヘデゴー環境委員は、米国と他の先進国の扱いに違いが出ないように、13年以降の温暖化防止の新協定は、「京都議定書の内容を取り込んだ単一の協定」であるべきだと表明。米国が参加しない京都議定書と、米国が参加する新たな協定の併存に反対しました。
一方で米国のスターン代表は15日の記者会見で、20年までに05年比で17%削減するという米国の中期目標は、05年を基準年とすればEUを上回るなどと述べ、1990年比で3〜4%削減にしかならない米目標を正当化しました。
スターン氏はまた、先進国に削減目標を義務付ける京都議定書の基本構造の継続には反対だと強調しました。
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