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2009年12月20日(日)「しんぶん赤旗」

特定扶養控除の縮小

直撃 高校授業料免除世帯

年3万円の増税も

政府税調検討


 鳩山政権が検討している特定扶養控除の縮小が実施されると、高校の授業料が免除されている世帯では年約3万円の増税になるケースも生まれることが、本紙の試算で分かりました。


 民主党は先の総選挙のマニフェスト(政権公約)に「高校は実質無償化」を掲げました。その財源として、政府税制調査会(会長・藤井裕久財務相)で検討されているのが、2010年度税制「改正」による特定扶養控除の縮小です。特定扶養控除のうち16歳から18歳までについて、所得税の控除は現行63万円を38万円まで圧縮し、住民税の控除も現行45万円を33万円まで圧縮する案です。中川正春文部科学副大臣が15日の政府税調全体会合で提案し、特に異論は出されませんでした。

 特定扶養控除の縮小は大きな影響を与えます。例えば、東京23区在住で、現在都立高校の授業料が免除されているサラリーマン3人家族(年収300万円、妻は専業主婦、子ども16歳)の場合、高校授業料が「実質無償化」されてもその恩恵はありません。ところが、所得税・住民税の特定扶養控除が縮小されると、両税合わせて年3万1000円の増税(本紙試算)となります。

 高校授業料の減免措置は各都道府県が実施している措置です。東京都は、生活保護世帯と同程度の収入しかない世帯に対し都立高校の授業料を免除する制度を設けています。生活保護の1・2倍程度の収入までの世帯については授業料を5割減額しています。

 東京都では08年度で1万6448人(全都立高校生比12・69%)の高校生が全額免除の措置を受けています。また、2579人(同1・99%)の高校生が半額減額されています。

 民主党はマニフェストで、「特定扶養控除は存続させる」としていました。高校の授業料を無償化することは、国民の切実な願いですが、財源を庶民増税に求めることは、民主党がうたう「暮らしのための政治」(マニフェスト)にも反します。


 特定扶養控除 所得税額を算出する際に、特定扶養親族(16歳以上23歳未満)の人数に応じた金額(1人あたり63万円、住民税は45万円)を差し引くことができる所得控除。圧縮されれば、その分だけ課税される所得が増えるため所得税が増税されることになります。

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