2009年12月23日(水)「しんぶん赤旗」
異常に高い薬価是正
中医協 改良型新薬 原価方式に
本紙追及
中央社会保険医療協議会(中医協)は22日、東京都内で総会を開き、既存薬の適応症を拡大するなどした「改良型新薬」の新たな薬価算定ルールを了承しました。
「改良型新薬」の薬価算定は、類似の新薬の価格に有用性加算などさまざまな名目で上積みして高薬価を生み出す「類似薬効比較方式」で行ってきました。新ルールは、(1)材料費や製造経費、営業利益などによる「原価計算方式」で算定する(2)「類似薬効比較方式」による算定薬価を上限とする、です。来年4月から適用されます。
今年2月、大日本住友製薬が既存の抗てんかん薬「エクセグラン」を同じ成分のままパーキンソン病用「トレリーフ」として「新薬」の承認を得て、113倍もの薬価となりました。このことへの批判が広がるなかで、算定ルールが見直されたものです。
本紙は9月以降、113倍もの薬価に跳ね上がるからくりを5回の特集をくんで追及。医療関係者からは「開発費もほとんどかかっていないのに、これは詐欺だ」などの厳しい批判の声があがりました。
こうしたなかで、中医協も薬価の算定案を作成する厚生労働省の薬価算定組織に制度の見直しを要請しました。現行制度維持を主張した同組織も、批判世論の広がりで「類似薬効比較方式」の見直しをせざるを得なくなったものです。
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