2009年12月23日(水)「しんぶん赤旗」
年の瀬募る困窮 相談
日弁連実施 電話6台鳴りやまず
8年非正規で働いた職場クビ 所持金2千円で野宿
月内に各地で無料受けつけ
雇い止めや生活保護、多重債務などの相談にこたえようと、日本弁護士連合会は今月各地で、無料の「年末年越し『雇用と生活』全国一斉緊急総合相談」に取り組んでいます。全国的な取り組みは夏に続き2回目。年末は初めてです。
このうち東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の3弁護士会による電話相談が22日、行われました。午前10時の開始とともに、6台の電話が鳴りっぱなしに。雇用・労働、生活保護、中小業者の破産など、夏の2倍を超える150件以上の相談が寄せられ、弁護士が対応しました。
「8年間非正規雇用で働き続けた職場から来月でクビといわれた。今まで契約更新の話などしたことがない」という大阪府の男性に、弁護士は「期間の定めのない契約とみるべきです。解雇は無効の疑いがあります」とアドバイスし、大阪の労働弁護団を紹介しました。
「11月まで働いていたが仕事を失い、所持金は2千円。野宿している」という60代男性には福祉事務所の場所を知らせ、男性は生活保護申請に行くことに。病気のため退職して住宅ローンも払えなくなった40代の女性は後日、生活保護申請について弁護士と相談することになりました。
東京弁護士会の森川清弁護士は、「今回は相談件数が非常に多く、それだけ生活困窮者が増えていることを示しています。その人たちが路上生活を余儀なくされる前に、国、行政は生活支援を素早くやってほしい」と話しています。
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