2009年12月25日(金)「しんぶん赤旗」
資生堂 派遣の中途解雇は違法
東京高裁“派遣会社は賃金払え”
資生堂の鎌倉工場で長年偽装請負として働かされ、中途解雇や雇い止めにされた女性労働者7人が、派遣会社アンフィニに対して解雇撤回などを求めていた仮処分裁判で、東京高裁(鈴木健太裁判長)は24日、中途解雇は違法だとして、賃金支払いを命ずる決定を出しました。
申し立てていたのは、全労連・全国一般アンフィニ分会の池田和代分会長(53)ら7人。横浜地裁は10月、表面の契約だけを見て却下しましたが、東京高裁はこれを取り消しました。
池田さんたちは当初、12月まで契約がありましたが、資生堂とアンフィニは途中で2カ月契約に変更し、2カ月後の5月17日、22人を指名解雇。労組に加入した2人も5月31日で雇い止めにしました。
会社側は減産を解雇理由としていますが、東京高裁は、労働契約法などが定める「やむを得ない理由」にあたらないと指摘。会社側が契約期間を1年から2カ月へと変更させたことは、人員削減のため確実に雇用関係を終了させるために結んだものであり不当だと断じました。
横浜市内で会見した池田分会長は、「一瞬にして切られたことに納得いかなかったので、言葉にならないほどうれしい。これを力に職場復帰めざして頑張りたい」と発言。
藤田温久弁護士は、人員削減の不当な狙いを認め、収入を絶たれた非正規雇用労働者に対する賃金支払いの保全の必要性を認めた意義は大きいと述べました。