2009年12月25日(金)「しんぶん赤旗」
治療の質の危機 技工料上げて
歯科技工士苦境訴え
小池氏と懇談
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NPO法人「みんなの歯科ネットワーク」の大塚勇二副理事長(歯科医師)と小林健二理事(歯科技工士)は24日、日本共産党の小池晃政策委員長と国会内で懇談し、入れ歯や差し歯などの技工物をつくる歯科技工士の低賃金・長時間労働の改善を訴えました。
「歯科技工士は1日16時間労働で年収200万〜300万円が当たり前。私も今朝5時まで働いてきた」と小林理事。離職率は25〜29歳で74・9%、25歳未満では79%に達します(2007年、日本歯科技工士会調査)。背景には、国の医療費削減によって歯科の経営が困難に陥るもとで、市場競争に委ねられた歯科技工料金の値下げが続いてきたことがあります。
大塚副理事長は「技工物の製作過程を省略せざるをえず、精度が悪くなる。すき間に入れたセメントが溶け、細菌が入って虫歯が広がる。何度も治療を繰り返し、いずれ入れ歯にせざるをえなくなる。悪循環で、結局は医療費の無駄遣いだ」と指摘。「このままでは良質な技工物が確保できなくなり、歯科が崩壊する。技工料金を引き上げて公定価格にし、技工士が普通に生活できるようにしてほしい」と要望しました。
小池氏は、「現状の技工料金はあまりに低すぎる。きちっと公的に保障しなければいけない」と応じました。