2009年12月25日(金)「しんぶん赤旗」
パラグアイ医療無料
公立病院 ルゴ大統領、公約実施
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【メキシコ市=菅原啓】南米パラグアイで、25日から公立の医療機関での医療費が完全無料化されます。
医療費無料化はパラグアイ史上初めて。ルゴ大統領は21日の会見で、「(過去の政府が)20年、30年、100年かかってもなしえなかったことを、われわれは実施しようとしている」と述べ、同国にとって「歴史的な出来事だ」と強調しました。
医療費の無料化は、貧困層支援を最優先課題として掲げて2008年4月に当選を果たしたルゴ大統領の主要公約の一つでした。ルゴ政権は発足直後の同年9月から、外来診察など一部の無料化を実施してきました。
今回の措置は、入院患者の治療・入院費、歯科治療費、ワクチン接種料、救急車使用料など公立医療機関での医療費をすべて無料にするものです。
患者にとって重い負担となっている薬品代も、保健省が指定する438品目を無料化。この中には抗がん剤、最新の麻酔薬など高度な治療に必要な薬品が含まれており、事実上、ほとんどの薬品が無料となります。
パラグアイでは多くの貧困家庭が、その日の食事をとるか、診療所で治療を受けるかの選択を迫られる状況に置かれています。マルティネス保健相は、無料化措置は「すべての家庭に贈るクリスマスプレゼント」であり、貧困層の苦難を終わりにして、すべての人々に医療を受ける権利を保障することが目的だと語りました。
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