文字の大きさ : [] [] []

2009年12月26日(土)「しんぶん赤旗」

一国覇権主義は孤立、破たんに直面している?


 〈問い〉 日本共産党は一国覇権主義が孤立、破綻(はたん)に陥っていると主張しています。アフガンには米軍が増強されています。どう見たらいい?(東京・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、米国の一国覇権主義が孤立し破たんに陥っていることと、覇権主義への根深い固執があることの両面を複眼でとらえています。

 ソ連崩壊後、世界規模で各国の主権に干渉する超大国が米国一国となり、一国覇権主義の危険が危惧(きぐ)されました。同時に“米ソ対決”の重しがとれたことで、米国は求心力を急速に失い、イラク戦争で示されたように、覇権主義への国際批判が集中し孤立するようになりました。

 第25回党大会決議案は「軍事力一本やりでは対応できない状況に直面」した米国で、「国連を無視した単独行動主義からの一定の転換が生まれつつある」と指摘。オバマ政権が、イラク戦争の誤りを認め、撤退を進めていることや、「核兵器のない世界」の追求を国家目標とした事実を挙げています。

 さらに、「一国覇権主義の世界支配に代わって、国連憲章にもとづく平和の国際秩序をめざす動き」として、平和の地域共同体の世界的な広がり、大国主導ではない民主的な国際経済秩序を求める動きの発展、核兵器廃絶をめざす国際政治上の進展などを明示しています。

 同時に「米国の軍事的覇権主義への固執は根深い」として、オバマ政権のアフガニスタンへの米軍増派を指摘。現地では「外国軍の存在自体が住民の反発を招き」、隣国パキスタンをも巻き込んだ、報復テロと軍事攻撃の悪循環で「泥沼化の様相」を深めているとしています。

 一方、米国からアフガニスタン増派を要求された欧州では、各種世論調査で増派反対や撤退賛成が多数を占めるなど、「増派への熱意はない」(2009年11月、バローゾ欧州委員会委員長)状況です。09年12月発表の米「新戦略」では、駐留米軍を3万人増派し10万人以上にするとともに、2011年7月の撤退開始も宣言せざるを得ませんでした。米国の一国覇権主義はこの問題でも孤立、破綻していると言えます。(米)

 〔2009・12・26(土)〕


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp