2009年12月28日(月)「しんぶん赤旗」
一般の母子家庭
8割が生活保護レベル以下
手厚い支援の必要浮き彫り
厚生労働省はこのほど、生活保護を受ける母子家庭と一般の母子家庭を比較する生活実態調査(暫定集計)を発表しました。同調査からは、働きたくても健康状態から働けない生活保護母子世帯の実態が浮かび上がっています。また、生活保護を受けていない母子家庭の80%が、生活保護レベル以下(可処分所得で比較)で生活していることが示されました。
厚労省調査
母親が就労しているのは、生活保護を受けていない母子世帯(以下、一般)では81・4%にのぼるのに対し、被保護母子世帯(以下、被保護)では42・2%でした。被保護で正規雇用の割合は、わずか1%。
就労していない母親で「仕事をしたい」と答えたのは、75・9%(一般)、71・8%(被保護)。これらの母親が就業できない理由の第一には、「健康に自信がない」があげられ、被保護では64・7%、一般では37・4%が健康が理由で就労できない実態が明らかになりました。また通院している母親では、歯の病気を除いて、被保護では「うつ病やその他こころの病気」(30・8%)が、一般では「腰痛症」(9・4%)が最上位にあげられました。
母親の悩みやストレスの原因(複数回答)では、「収入・家計・借金等」が一般では59・3%、被保護では、57・3%にのぼりました。
調査では生活保護を受けていない母子世帯の約80%が生活保護レベル以下の年収で生活していることが分かりました。被保護の母子世帯の平均年収は268・2万円以下の年収でした。
今回の調査は、母子加算復活を公約に掲げて誕生した新政権のもとで設置された有識者らによる「ナショナルミニマム研究会」(主査・岩田正美日本女子大教授)の初会合(11日)に示されたもの。約8割の母子世帯が生活保護以下の生活になっている実態が明らかになったことで、ひとり親世帯全体を手厚く支援する施策が求められていることが浮き彫りになりました。
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