2009年12月31日(木)「しんぶん赤旗」
公設派遣村600人超す
雇用深刻 昨年上回る
国・都 300人分の施設追加
国と東京都が開設した「公設派遣村」(渋谷区・国立オリンピック記念青少年総合センター)の入所者は30日、当初の定員500人を超え、639人になりました。国と都は新たに300人分の施設を用意する事態になりました。昨年、労働組合や市民団体が行った「年越し派遣村」に身を寄せた505人を早くも上回っており、雇用破壊の深刻な実態が改めて浮き彫りになっています。
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センターには住居も仕事も失った人がこの日も次々と訪れ、170人が入居。センター内の別棟(定員318人)でも受け入れが始まりました。
「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(代表・宇都宮健児弁護士)が、新宿区のハローワーク新宿に隣接する公園で行う相談活動や、都内各所で公設派遣村の利用を呼びかける行動には、120人以上のボランティアが参加。相談テントには長蛇の列ができ、118人が訪れました。
上野のハローワーク前でもらった同会のビラを握りしめた46歳の男性は「スズキやリコーの製造派遣をやり、最後は警備員の仕事をクビになった。今日で寮を追い出される」と訴え。生活保護を受けられると説明を受け、「安心した」といって公設派遣村の入所手続きに向かいました。
一方、公設派遣村に入所した49歳の男性は、体を壊して警備会社を解雇され、家賃も払えなくなり今月からホームレスに。「一息ついたが、生活相談が順番待ちでまだ受けられていない。1月4日にここを出されても住所も仕事もないままどうなるのか不安です」
着の身着のままサンダルで入所したという男性(38)は「洗濯はできるけど着替えがない。せめて靴下がほしい」と訴えていました。
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