2010年1月5日(火)「しんぶん赤旗」
公設派遣村 入所833人
宿泊施設移動
ワンストップの会「路上生活に戻すな」
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国・東京都は4日午後、「公設派遣村」(渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターなど)の入所者833人を貸し切りバスで、12カ所のカプセルホテル(4日のみ)に移動させました。5日以降は2週間程度、別の2カ所の宿泊施設での生活が始まりますが、不安の声もあがっています。
「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(代表・宇都宮健児弁護士)のメンバーは4日午前、同センターの中庭で、内閣府参与の湯浅誠さん(前回の年越し派遣村・村長)や厚生労働省・都の担当者といっしょに並んで、これからの取り組みの説明会を3回開催。入所者は3組に分かれて集まり、聞き入りました。
同会の井上久さん(全労連事務局次長)は「入所している約800人はみんな仲間。一人も路上生活に戻らないように、私たちも毎日、宿泊施設に行って相談にのりたい」と訴えました。
説明を聞いた入所者は、今後の生活再建の不安を口々に語りました。
約3年間のホームレス生活をしてきた元日雇い労働者の男性(49)は「新しい宿泊施設は大部屋なので、知らない人といっしょに寝泊まりするのは不安だ」と話します。生活保護は申請したいが、親に通知されるなど、行政のいやがらせをおそれて迷っているといいます。
公園のベンチなどの路上生活を1カ月してきた元派遣労働者の男性(32)は「このセンターに6日間いたが、都の職員から1回、15分ぐらい、名前などの簡単な質問をされただけ。早く生活保護を受け、病気の治療もしたい。新しい宿泊施設に移っても、本当に親身な相談がうけられるのか」と不安をつのらせていました。
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