2010年1月6日(水)「しんぶん赤旗」
永住外国人への地方参政権をどう考える?
〈問い〉永住外国人への地方参政権について、日本共産党の考えを教えてください。(兵庫・一読者)
〈答え〉永住外国人への地方参政権付与の問題は、1995年の最高裁判決を契機に、国政上の課題となりました。最高裁は、措置を講ずることは憲法上禁止されているものではなく、国の立法政策の問題であるとの判断を示しました。その後、運動が高まり、地方議会でも、法制化を求める決議が相次いで出されています。
国会では98年秋、民主・公明共同案と日本共産党案が出されて以来、何度も法案が出され、質疑が行われてきましたが、成案には至っていません。
日本共産党は、98年に永住外国人地方参政権法案を国会に初提出した後も、何度も出してきました。日本共産党の案は、地方政治は、すべての住民の要求にこたえるために、住民自身の参加によってすすめるという観点から、永住外国人にも地方参政権を付与すべきだとしています。そのため、都道府県・市区町村の首長・議会議員についての選挙権だけでなく、被選挙権も含めて、条例制定などの直接請求権、首長・議員リコールなどの住民投票権も認め、選挙活動の自由も保障するというものです。これが他党の案と大きく違うところです。
他党の案は、選挙権のみを認めるものです。さらに「朝鮮」籍の除外条項や、日本国民にも地方選挙権を認めている国の永住外国人だけに限る「相互主義」を加え、新たな差別につながる規定を持ち込んできました。
ヨーロッパでは、すべての定住外国人か特定の外国人かに違いはあるものの、ほとんどの国が地方参政権を認めています。
日本共産党は、昨年の総選挙政策でも「地方自治体の運営は、本来、すべての住民の参加によってすすめるのが憲法の保障する地方自治の根本精神です。永住外国人を地方自治の担い手としてむかえ、日本国民と等しく参加する政治を実現することは、わが国の民主主義の成熟と発展につながります」と述べ、永住外国人に地方参政権を保障する立法の実現に全力をつくすことを、公約しています。(陽)
〔2010・1・6(水)〕