2010年1月8日(金)「しんぶん赤旗」
公設派遣村
入所50代男性が死亡
東京・大田臨時宿泊施設 医療担当常駐せず
「不安が的中してしまった」。年末年始に開設された「公設派遣村」利用者が引き続き入所している路上生活者たちの臨時宿泊施設「なぎさ寮」(東京都大田区)で7日、50代の男性が死亡しました。
都によると、死亡したのは同日午前8時40分ごろ、同室の利用者が「様子がおかしい」と施設の責任者に知らせ、救急車を呼びました。しかし、すでに心肺停止で死亡が確認された状態でした。男性は、肝硬変の持病があったといいます。
「なぎさ寮」には、医療体制が確保されていないことから、日本共産党の大山とも子、かち佳代子両都議は5日に同寮を視察した際、医師と看護師の常駐など改善を求めていました。都は、指摘をうけて午前10時から午後4時まで看護師を配置しましたが、男性が死亡した時間には医療スタッフは不在でした。
「なぎさ寮」は、年末年始に路上生活者を一時的に緊急入所させるプレハブ施設。多人数が暮らすのにふさわしく健康や保健衛生に配慮された設備はととのっていません。そのため、以前「なぎさ寮」を利用した経験者などからは「急病者がでたらどう対処するのか」と、不安の声が出されていました。
「公設派遣村」の800人を超える利用者のうち559人が「なぎさ寮」に入所したことから、狭い部屋に30人以上詰め込まれて、夜は雑魚寝状態。「眠れない」「プライバシーがない」「インフルエンザの患者がでたらどうするのか」などの声が出ていました。
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