2010年1月12日(火)「しんぶん赤旗」
水俣病和解勧告求める
不知火患者会 司法救済めざす
原告拡大も確認
国と熊本県、原因企業のチッソに賠償を求め裁判で争っている未認定患者団体「水俣病不知火患者会」(大石利生会長)は11日、水俣市で新春総決起集会を開きました。1000人を超える原告患者らが集まり、裁判所に和解勧告を出すよう求めることを決めました。今後、原告を2500人に増やすことも確認しました。
基調報告で大石会長は「水俣病特措法だけでは解決しないことがはっきりした。健康調査で指定地域外の被害者の存在、1969年以後の出生・移住者の被害の事実を突き付けた」と語りました。
和解協議では、賠償一時金、医療費、療養手当や不知火海(八代海)沿岸住民の健康調査などを求めた「基本要求」を軸に協議していくとしています。国・熊本県、チッソの責任を明確にした最高裁判決をふまえた解決をはかり、裁判所が被害者を認定する司法救済制度の実現をめざすとしています。
同集会には、日本共産党、民主党、自民党、社民党から国会議員が出席。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は、「みなさんの要求と運動を支持し、今後も全力でたたかう」と連帯のあいさつをしました。
患者会は2005年に、第1陣が提訴。現在、18陣まで追加提訴し、2000人以上が訴訟に参加しています。同裁判で国は当初、原告患者らの協議の求めを拒否。しかし、昨年末「和解による解決をはかりたい」と打ち出し、これまで2回にわたり和解に向けた事前協議が行われています。