2010年1月13日(水)「しんぶん赤旗」
公設派遣村 「無断外泊」は誤認
ワンストップの会 利用者支援継続を要望
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年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会(代表・宇都宮健児弁護士)は12日、東京都に対し、「公設派遣村」利用者の「外泊」などについて正確な事実を明らかにし、生活再建に努力している人たちへの支援継続や医療体制の強化を求める要望書を提出しました。
ワンストップの会の井上久さん(全労連事務局次長)、安部誠さん(全国ユニオン事務局長)、丸山理絵さん(反貧困ネットワーク)は同日、都庁内で記者会見し、「公設派遣村」利用者を「無断外泊200人」「2万円持ち逃げ」などとするのは、事実誤認の中傷であると指摘しました。
同会が、都の現場担当者に問い合わせたところ、200人という数字は都として公式発表したものではなく、実際の外泊者は毎日四十数人程度だといいます。
井上さんは、「ごく一部に行動費で飲酒した人がいるのは残念ですが、大多数は生活再建に懸命に努力しています」と強調。
宿泊施設は、都心部までかなりの時間がかかるなど、住居探しなどに不便なことが問題となっていました。「無断」で門限の午後4時半に帰着できなかった人も、ほとんどは生活保護の手続きや住居探しで遅くなり、都が連絡先の電話番号を徹底しなかったため、連絡できませんでした。
記者会見には、「公設派遣村」利用者も参加。
半年前まで福井県鯖江市で眼鏡フレームをつくっていた男性(47)は、送迎バスの最終便に間に合わなかったため、個室ビデオ店に1泊しました。「2万円の行動費は、アパート探しに使っている。宿泊施設の電話番号は知らされていなかった」
指の骨折でマツダを「非正規切り」された男性(24)は、「不動産屋まわりで帰着が遅くなるので電話したが、ずっと通話中で、連絡がつかなかった」。また死者も出た宿泊施設の医療体制について、「かぜが蔓延(まんえん)している。ちゃんと病院に連れて行ってほしい」と訴えました。
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