2010年1月16日(土)「しんぶん赤旗」
「慰安婦」問題を検証
争点化20年 市民らが学習会
日本軍「慰安婦」問題20年の「検証」とこれからの課題を考える公開学習会が15日、東京都内で開かれ、約30人が参加しました。今年は「慰安婦」問題が社会的、国際的問題として争点化されて20年。女性の人権が踏みにじられたという問題の原点にたちかえり、中身の伴った立法解決を実現しようと学びあいました。主催は日韓の女性と歴史を考える会。
講演した女性史研究家で同会代表の鈴木裕子さんは、1990年、当時韓国の尹貞玉・梨花女子大学校教授が「慰安婦」問題を女性の人権問題として提起したことや、翌年8月に金学順さんが韓国の被害者として初めて名乗り出たことが現在の運動につながっていると紹介。92年8月にソウルで開かれた第1回「従軍慰安婦」問題アジア連帯会議で「日韓の関係から始まった運動がアジアへと広がった」と語りました。
国民から募金を集め、96年8月から支給が開始された「国民基金」(アジア女性基金)について、鈴木さんは「国家の犯罪と責任を認めず、天皇の戦争責任を隠ぺいする役割を果たした」と批判。「戦後賠償や戦後責任を履行させることは日本社会に真の『民主主義』を根づかせるためではないか」とのべ、立法解決へ向けた主権者の努力を訴えました。