2010年1月16日(土)「しんぶん赤旗」
日米軍事同盟のもつ異常な特質とは?
〈問い〉日本共産党は“日米軍事同盟が世界でもとりわけ異常な特質をもっている”と主張しています。具体的に教えてください。(山梨・一読者)
〈答え〉米国を中心とした軍事同盟は、この半世紀に多くが解散、機能不全、弱体化に陥っており、「前世紀の遺物」ともいうべき存在です。現在、機能しているのは北大西洋条約機構(NATO)、日米、米韓、米豪の四つだけです。
日米軍事同盟の異常な特質は、従属性と侵略性にあります。
日米軍事同盟のもとで、首都圏を含む日本全土に米軍基地がおかれ、日本に配備されている海兵隊の第3海兵遠征軍、海軍の空母打撃群、空軍の航空宇宙遠征部隊などは、すべて「日本防衛」と関係のない“殴りこみ”部隊です。海兵遠征軍の配備(沖縄、岩国)も、空母や揚陸艦隊の母港(横須賀、佐世保)があるのも日本だけです。
「米軍再編」の名で安保条約の枠組みさえ超えて、地球的規模で自衛隊と共同作戦がとれる態勢づくりが進められています。
核兵器の持ち込みは「日米核密約」によって、米軍が勝手におこなえる仕組みです。米軍駐留経費も、条約上義務のないものまで「思いやり」予算として負担しています。米国防総省の「共同防衛に対する同盟国の貢献」報告(2004年版)によると、日本の米軍駐留経費負担は他の同盟国26カ国を合わせた分を上回っています。
後を絶たない米兵犯罪は日米地位協定で、「公務中」であれば、米軍に第一次裁判権があります。「公務外」でも日本側が最大限、裁判権を放棄する密約もあります。
こうした米軍基地面積は1980年代以降、自衛隊との共同使用基地を含めると2倍以上に広がりました。駐留する米兵数も、世界的にはソ連崩壊後に約61万人から約28万人へと半数以下に減っているにもかかわらず、日本は約4万人前後とほとんど変化がありません。
異常な特質をもつ日米軍事同盟を解消して、外国軍の基地のない日本をめざし、日米間では、友好協力条約を締結するときです。(藤)
〔2010・1・16(土)〕