2010年1月20日(水)「しんぶん赤旗」
米海兵隊の沖縄駐留をどう考える?
〈問い〉米海兵隊の沖縄への駐留経緯と、これにたいする日本共産党の考えを教えてください。
(山口・一読者)
〈答え〉米海兵隊は、「殴り込み」を任務とする部隊です。沖縄には、この海兵隊の第3海兵遠征軍が米本土以外では唯一、常駐しています。米海兵隊は、平和のための「抑止力」ではありません。米国の戦争のための「侵略力」だということは、イラク戦争などをみても明らかです。
米海兵隊はもともと沖縄にずっと駐留していたわけではありません。朝鮮戦争(1950年6月)直後に、朝鮮半島でたたかう米軍の支援部隊として、静岡、山梨、岐阜などに配備されました。
しかし当時、米軍立川基地拡張に反対する「砂川闘争」をはじめ、「米軍でていけ」との国民運動が大きく広がり、米軍の横暴勝手が通用しなくなっていました。このため海兵隊は、50年代半ばに米軍が軍事占領していた沖縄に移らざるをえなくなったのです。
本土から移転する海兵隊のために用意されたのが、いま焦点になっている普天間基地(宜野湾市)です。45年3月に沖縄に上陸した米軍は、宜野湾村(当時)の住民を収容所に押し込めている間に、村の中心部を基地に変えました。54年には「銃剣とブルドーザー」で村民を排除し、基地を拡張しました。
こうして「世界一危険」(2003年ラムズフェルド米国防長官=当時)な普天間基地は、戦時国際法にも違反してつくられたのです。無法に強奪したものは、「移設」を条件にせず、無条件撤去が当たり前です。
日本共産党は、日米安保条約のもとでも、こうした他に類例のない異常な実態は緊急にただすべきだと考えます。平和を願う国民の要求を実現する立場から、国民とともに大いにたたかいをおこす決意です。
同時に安保条約そのものもなくすべきだと考えます。多くの国ぐにが軍事同盟から抜けだして、外部に敵を持たない、開かれた平和共同体が世界各地に広がっています。こうした方向こそ世界の流れです。(山)
〔2010・1・20(水)〕