2010年1月21日(木)「しんぶん赤旗」
民主、疑惑に無反省 代表質問で浮き彫りに
政治とカネ 一大焦点に
共産党、正面から追及
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第2次補正予算案をめぐる衆参両院の代表質問が19、20の両日、行われました。民主党の小沢一郎幹事長の政治資金疑惑や鳩山由紀夫首相の偽装献金事件など「政治とカネ」の問題が一大焦点として浮かび上がる中の代表質問。どの党がこの問題で真に国民の願いを代弁しているかが早くも明らかになりました。
19日の衆院代表質問で日本共産党の佐々木憲昭議員は、鳩山首相の偽装献金問題に関して、母親からの12億6000万円を含む資金約16億円のうち、虚偽記載分にあてた4億円以外の使途不明金は「何に使われたのか」とズバリ追及しました。
小沢氏の疑惑では、「4億円の土地購入資金がどこから出たのか。原資の一部がゼネコンからのヤミ献金だったのではないか」「小沢氏からどのような説明を受けて『信じる』と確信を得たのか」と迫りました。
これにたいして鳩山首相は、自身の問題について「基本的に不正な支出はない」とのべ、不明金の使途の公表を拒否。個人の政治活動を含めすべての政治資金を公開し、国民の監視と批判のもとに置くという政治資金規正法の精神に真っ向から反する姿勢を示しました。
また小沢氏の疑惑については、「(小沢氏は)政治資金の取り扱いに関して極めて慎重な方であるという印象」「潔白を主張しているのを信じるのが同志としての基本」というのが精いっぱいでした。
菅直人副総裁兼財務相は20日の参院代表質問で、「政治とカネ」の問題は昔に比べると、「少しずつ良くなってきている」などと実態を覆い隠すとともに、「企業献金禁止、個人献金の拡大は残念ながら実現していない」と語り、まるで人ごとのような答弁を行いました。
こうした無反省の態度は、本来なら自浄能力を発揮すべき民主党の質問にも象徴されています。
同党は19日の衆院代表質問を放棄。20日の参院代表質問にたった藤原正司議員は「政治とカネ」には一切ふれず、首相に「堂々と王道を歩んでいただきたい」などと“進言”しました。
自民党にも自浄作用なし
野党となった自民党はどうか。「民主党と総理の自浄能力が問われている」(大島理森幹事長の衆院代表質問)などと指摘し、予算委員会での集中審議や参考人招致などを与党に要求しています。
しかし、二階俊博前経済産業相の西松建設からの偽装献金事件など自党の問題にフタをしたまま。また、与党時代と同じく、企業・団体献金を温存させる立場も変わりなく、自浄作用が働かないのは民主党と同じです。
佐々木議員が代表質問で、「これまで田中金脈、金丸金脈が繰り返されながら、自民党が金権政治の根を絶たず、その元凶である企業・団体献金を温存してきたことが問われなければならない」と強調し、政府に企業・団体献金禁止を正面から求めたのとは対照的です。(遠藤誠二)
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