2010年1月23日(土)「しんぶん赤旗」
普天間基地 無条件撤去 米と交渉を
衆院予算委 赤嶺議員が追及
「抑止力」で犠牲強いるな
土地強奪・事故… 沖縄の悲劇説く
「広大な沖縄の米軍基地を見て『これが日本を守る抑止力か』と感じるほうがおかしい。米軍基地のもとで虫けらのように扱われた県民の歴史に、思いをはせるべきではないか」―。日本共産党の赤嶺政賢議員は22日、衆院予算委員会で、自ら生きた沖縄の苦闘の戦後史を政府に突きつけ、米海兵隊普天間基地の無条件撤去を求める対米交渉をと迫りました。委員会室は、最後まで静まり返ったままでした。
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「普天間問題の原点に立ち返るべきだ」と強調した赤嶺氏。「沖縄の基地は住民の理解を得てつくられたものではない」と、米軍が国際法に違反して住民の土地を不法不当に強奪し、基地を建設してきた歴史を、自らの人生に重ねあわせながら告発しました。
戦後65年間、米軍基地によって沖縄は戦闘機の墜落、爆音、殺人、暴行など「生涯忘れることのできない多くの悲劇を体験してきた」とじゅんじゅんと語る赤嶺氏。平和憲法のもとへの復帰に込めた願いは米軍基地の縮小・撤去であり、これこそ原点だと強調しました。
その上で、1996年以来の「移設先探し」を批判し、「どこにも新たな基地をつくる場所などない」「移設先探しは必ず行き詰まる」と指摘。鳩山首相が野党時代、普天間基地は「代替施設なき返還を」と小泉首相に迫ったことをあげ、「今こそこの主張を実行に移すべきだ」と迫りました。
首相は、「悲劇を繰り返さない環境をつくるのが政府の使命だ」としつつ、「抑止力」の観点から「日本のどこかに米軍が存在する必要性は感じている。移設先は考えていかなければならない」などと答弁しました。
赤嶺氏は、「軍の論理より民の尊厳を大切にすべきだ。主権国家の総理なら、県民・国民の立場に立って普天間基地の無条件撤去の対米交渉を始めるべきだ」と厳しく求めました。
小沢氏疑惑 解明せよ
赤嶺氏は質問で「政治とカネ」の問題もとりあげ、鳩山首相の偽装献金疑惑をめぐって使途不明の11億8000万円について追及。「検察から書類が返還されたらすべて国会に明らかにするのか」とただしましたが、首相は「極力みなさんに理解されるよう努力したい」と答えるだけでした。
さらに赤嶺氏は、民主党の小沢一郎幹事長の土地購入疑惑について、問題の核心は4億円の土地購入資金の出所であり、公共事業を受けるゼネコンからのヤミ献金が疑われていると指摘。「首相は、自ら解明に乗り出すべきだ」と迫りました。
首相は、「まずは事情聴取に応じる小沢氏を冷静に見守りたい」などと発言。赤嶺氏は、事情聴取に応じるのは当然のことであり、国会として政治的・道義的責任を明らかにしなければならないとして、小沢氏の参考人招致を要求しました。