2010年1月23日(土)「しんぶん赤旗」
衆院予算委 赤嶺議員の質問
首相と幹事長「政治とカネ」問題
政治的道義的責任ただす
日本共産党の赤嶺政賢議員は22日の衆院予算委員会で、大問題になっている鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」をめぐる問題を追及しました。
赤嶺氏は、政治資金規正法が「政治活動の実態を公開し、国民の不断の監視と批判の下に置き、政治活動の公正を確保する」としていることを紹介。政治資金をめぐる疑惑は、議会制民主主義そのものに対する不信につながりかねない問題だとして、鳩山首相の認識をただしました。
鳩山首相は「政治とカネの問題はクリーンであるべきで、規正法の趣旨にのっとって行動するべきだ」と述べました。
そこで取り上げたのが鳩山首相自身の資金管理団体の偽装献金事件です。同事件では、まだ11億8000万円分もの使途が明らかにされていません。赤嶺氏は、首相が前日の予算委員会で「公判が終わって資料が検察から戻ればできる限り説明できればと考えている」と答弁したことを指摘。「書類が返還されたら国会に明らかにするということだな」と迫りました。
鳩山首相は「不正な支出はなかった」という従来の主張を繰り返し、書類返還後の国会への説明については、「極力、みなさんにそうかと理解されるように努力したい」と答えるだけでした。
赤嶺氏は、第二に小沢幹事長の資金管理団体の土地購入疑惑をただしました。問題の核心は購入資金の原資の一部にゼネコンのヤミ献金が含まれているのではという疑惑だと指摘し、「もしそうなら公共事業の受注を通じて、国民の税金が還流しているということになる」と批判しました。
そして、「(鳩山首相が)小沢氏を信じる理由は何か。首相はみずから小沢幹事長に対し疑惑の説明を求めるべきではないか」とただしました。
鳩山首相は「小沢氏は政治資金のディスクロージャー(公開)に関していつも明確に述べておられる。本人の潔白を信じたい」と相変わらず擁護。みずから先頭に立っての疑惑究明についても、「検察が捜査している最中なので、聴取に応じる小沢氏を冷静に見守るべきではないか」と、消極的な態度を示しました。
赤嶺氏は、ロッキード事件当時、5党党首が「国会は政治的道義的責任の有無について調査する」という合意を結び、司法当局の捜査と車の両輪で国会の場でも真相解明をすすめたことを紹介しました。
今回の疑惑についても、小沢幹事長が検察の聴取に応じるのは当然とした上で、「国会は刑事責任の有無とは別に疑惑を解明し、その政治的道義的責任を明らかにしなくてはいけない」として、小沢幹事長を予算委員会に参考人招致することを求めました。
最後に、政治資金疑惑が繰り返される根っこに自民党政治のもとで企業・団体献金が温存されてきたことがあると強調。今こそ禁止に踏み出し、政党助成金も廃止すべきだと訴えました。