2010年1月28日(木)「しんぶん赤旗」

NTTの転籍強要 是正は政府の責任

大門議員追及 首相ら「違法は正す」

労働者救う派遣法に


 「政府のおひざ元・NTTでの無法を正せるかどうかが、鳩山政権が非正規雇用の改善に本気かどうかの試金石になる」―。日本共産党の大門みきし議員は27日の参院予算委員会で、NTT東日本―北海道で行われている契約社員から登録型派遣社員への転籍強要問題を怒りを込めて告発し、「現場の労働者を救える派遣法改正を」と求めました。


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(写真)質問する大門みきし議員=27日、参院予算委員会

 政府は派遣法改正で登録型派遣を「原則禁止」にする方針ですが、その政府が最大株主で、事業計画も認可するNTTで、逆行する事態が進行しています。

 NTT東日本―北海道が1日付で、契約社員700人のうち680人を同じグループの派遣会社に転籍(10人は退職、10人は転籍拒否)させた無法の実態を突きつけた大門氏。「転籍に同意しないと雇い止めにする」など、詐欺や脅迫まがいの手口を使っていることも明らかにし、「こういう違法行為を放置するのか」と迫りました。

 原口一博総務相は、「違法行為があれば、適切に是正をされるべきだ」と答弁しました。

 さらに大門氏が鳩山由紀夫首相に対して「NTT東日本には2兆円もの内部留保がある。契約社員の犠牲で利益を積み上げ、今度は使い捨ての登録型派遣にする、こんなことが許されるのか」とただすと、首相は「違法行為があれば、当然適切に対処しなければならない」と述べました。

 大門氏の重ねての追及に原口総務相は、「政府はNTTの3分の1の株を持っている。法律と正義に基づいて適切に措置したい」と答弁しました。

 大門氏は、同社のやり方が、登録型派遣の「原則禁止」の先送りや「グループ内派遣」の容認など「政府の派遣法改正案の抜け道を見越したものだ」と指摘。「広く現場の意見を聞き、抜け道のない改正案にすべきだ」と力説しました。

 鳩山首相は、まずは現方針で法改正を行った後、「さらによりよいものにするための努力がなされればいい」と答弁。大門氏は「また何年も大変な思いをする労働者が増える。わが党は抜け道のない改正を求めて全力をつくす」と表明しました。


 登録型派遣 仕事のあるときだけ、派遣会社と雇用契約を結ぶもの。

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