2010年1月29日(金)「しんぶん赤旗」
保育所給食を外部調理
「施設内」の基準緩和 全国で容認
政府方針に関係者懸念
政府の構造改革特別区域(特区)推進本部は、全国の公・私立の保育所の3歳児以上の給食について、外部からの搬入を全国どこでも認めるよう規制緩和する方針を2月4日にも決定しようとしています。子どもの発達を脅かすものとして、保育関係者から懸念の声があがっています。
保育所の給食は、乳・幼児一人ひとりの発育や体調、食物アレルギーに対応するなどのために保育施設内で調理するよう保育所最低基準で定められています。
しかし、小泉「構造改革」のもとで、2004年から「構造改革特区」と認められた自治体の公立保育所では、外部調理を容認しました。今回、地域的限定を外したうえ、私立保育所も含めて規制をなくそうとしています。保育所最低基準は厚生労働省令であるため、法「改正」なしで変えることができます。今年3月末までに実施するよう求めます。
特区推進本部は、政権交代後も自公政権下での検討を引き継いで、特区で認められている規制緩和を全国で容認するための検討を続けてきました。3歳児以上の給食の外部搬入の全国での容認方針は、同本部評価・調査委員会の医療・福祉・労働部会で19日に決められました。2月4日の評価・調査委員会で正式に決めた後、2月下旬にも同推進本部で政府方針として決定される予定です。
現在、特区では学校給食センターからの搬入が中心です。それについても問題が指摘されていますが、今後は民間業者に拡大する恐れがあります。保育関係者からは強い懸念が出されており、全国保育協議会、全国保育士会は「子どもの発達過程や状況に応じた食事の提供が難しくなる」として「断固反対」を表明した意見書を27日、構造改革特別区域推進本部に提出しました。