2010年2月4日(木)「しんぶん赤旗」
農林漁業再生は待ったなし
市田書記局長 「日米FTA交渉やめよ」
参院代表質問
「農林漁業と農山漁村の再生は、日本国民の存亡がかかった、待ったなしの課題」――3日の参院代表質問にたった日本共産党の市田忠義書記局長は、前自公政権によってずたずたにされた農漁業の再生は緊急の課題であると主張し、日本農業に壊滅的な打撃を与える日米自由貿易協定(FTA)、日豪経済連携協定(EPA)にむけた交渉はやめるべきだと、鳩山由紀夫首相に迫りました。
自由化路線転換を
民主党は昨年8月の総選挙で、日米FTA促進を公約に掲げ、農業関係者から「自由化が進めば、コメをはじめとする日本の農業は深刻な影響を受ける」との怒りをよび、それはさらに強まっています。
「交渉相手のアメリカもオーストラリアも、農業を除外したFTAなどありえないと再三言明している」と述べた市田氏。農業を守りながらFTA交渉を進めるという民主党の欺まんを突き、「日米FTA交渉は断念し、日豪EPA交渉をきっぱりと中止すべきだ」と力説しました。
鳩山首相は、「日米、日豪を含むFTAは、貿易と投資を自由化する観点から前向きに推進していくべきだ」などと答弁しました。
市田氏は、「日本農業をここまで落ち込ませた最大の原因の一つ、歯止めのない輸入自由化路線を根本から改め、関税の維持・強化をはかるべきだ」「貿易拡大一辺倒のWTO(世界貿易機関)農業協定を根本から見直し、各国の食料主権を尊重する貿易ルールの確立を」と厳しく求めました。
予算の抜本増額を
さらに市田氏は、前自公政権のもとで、農林水産予算はこの10年間で約1兆円も削減され、国の予算に占める割合も毎年のように下がり、昨年は4・9%にまで落ち込んだと強調、「ところが鳩山内閣では、これがさらに4・6%引き下げられた」と告発し、「これでは戸別所得補償による農林水産業の再生など『絵に描いたモチ』ではないか」と批判しました。
「農業を国の基幹産業に位置づけ、農林水産予算もそれにふさわしく抜本的に増額すべきだ」と強調した市田氏。米価下落の改善にむけ政府が生産費を基準に買い入れをおこなう、畜産物や野菜・果実などは、再生産が可能となるような価格安定対策を講じる―具体策を提示しました。
鳩山首相は、戸別所得補償制度など、予算案は「農林水産行政を全く新しい段階に導くもの」と自画自賛しながら、予算削減については明確に答弁しませんでした。またコメの買い入れについては否定的な考えを示し、野菜や果実の価格安定対策については、「新たな支援策を検討する」と答えました。