2010年2月10日(水)「しんぶん赤旗」

外国人研修は奴隷労働

党議員団 勝訴の元実習生と懇談


 「外国人研修という名の奴隷労働をなくすため力を合わせましょう」―日本共産党国会議員団は9日、熊本地裁で先月勝訴した「中国人実習生強制労働事件」原告らと懇談しました。仁比そうへい、紙智子両参院議員、高橋ちづ子衆院議員が参加しました。

 「(中国)青島から夕方、日本に着くと社長にパスポートと印鑑を取り上げられ、その日から働かされました」。原告の2人は切々と体験を紹介。ワコール末端下請けの縫製の仕事は午前8時半から夜10時まで、月給は6万円で残業代は時給300円、寮は1部屋12人、ノルマが終わらないと「ばか」と怒鳴られました。

 原告の女性は全労連さん下のローカルユニオン熊本に加盟し、2007年に裁判に立ち上がりました。1月29日、熊本地裁は「研修とは名ばかりで労務の提供」として、会社だけでなく会社への派遣元にあたる受け入れ機関の責任も認め賠償を命じました。

 懇談で訴訟弁護団は「受け入れ機関の責任を認めたのは初で画期的。昨年の津地裁に続き、勝利の流れができてきた」と、判決の意義を強調しました。

 仁比氏は、日本の労働者が告発すると、「文句があるなら中国人労働者を使う」と開き直られる場合があることにも触れ、「日本の労働者の権利をも引き上げるたたかいだ」と述べました。

 原告の2人は「日本人はみんな社長みたいな人かと思ったけど裁判を通じてやさしい人もいると、日本を好きになりました」と話しました。


 外国人研修・技能実習制度 発展途上国への技術移転、人材育成を目的として1993年に創設されました。しかし、安いコストで外国人労働者を使用したいという産業側の要求に応えてできた面があり、劣悪な労働条件、賃金未払いなど問題が山積しています。2008年の制度対象者は19万1816人。法務省に不正行為があったと認定された受け入れ機関は452にのぼり過去最高。1年間の研修期間は労働関係法令が適用されませんが、改正入管法により今年7月からこの点は改善されます。



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