2010年2月12日(金)「しんぶん赤旗」
正社員化・下請け単価上げよ
内部留保の還元迫る
大企業がため込んだ内部留保を社会に還元することや、非正規雇用労働者を正社員にすることなどを求めて11日、愛知県と神奈川県を中心に二つの総行動がおこなわれました。
愛知でトヨタ総行動
愛知県では、トヨタ自動車に社会的責任の発揮を求める第31回「トヨタ総行動」(愛労連など実行委員会主催)がとりくまれました。
豊田市にあるトヨタ本社近くの公園で開かれた総決起集会には約千人が参加。雨のなか、「トヨタは内部留保をはき出せ」「首切り、下請けいじめを許すな」とムシロ旗や横断幕を掲げて求めました。
「私は昨年12月、トヨタの期間従業員を雇い止めにされました」。壇上で、トヨタの制服を着た男性(40)が告発しました。半年、3カ月、3カ月、1年と雇用契約を更新。「正社員になるために2年間、無遅刻、無欠勤で改善提案も出してきた」。しかし、雇い止めの理由すら説明されませんでした。
男性は毎日、工場門前で出勤闘争中。「トヨタが引き金となった雇用破壊で、今も多くの人が路頭に迷っている。一人ひとりが大切にされる社会をつくるために頑張る」と訴えました。
実行委員長の榑松佐一・愛労連議長は、トヨタのリコールの要因に、利益優先のコストカットがあると指摘。「ばく大な内部留保を賃上げと下請け単価の引き上げに回させよう」と訴えました。全労連の根本隆副議長が激励のあいさつをしました。
「単価の切り下げが続けば、中小業者は生きていけない」と話すのは、岡崎民主商工会事務局の女性(57)。会員の売り上げは前年の3分の1。廃業に追い込まれる会員も増えているといいます。「トヨタが抱える内部留保に怒りがわいてくる。社会のために活用すべきです」
総行動では、豊田市内などの中小企業約800社に経営状況を聞くアンケートを配布しました。
日産・いすゞでも 神奈川 東京
神奈川県と東京都では、日産、いすゞ自動車両社の「非正規切り」に対し直接雇用・正社員化を求める労働者と支援者が、争議の勝利をめざす総行動を繰り広げました。日産・いすゞ自動車争議神奈川支援共闘会議が主催し、小雨のなか200人が参加しました。
神奈川県藤沢市のいすゞの工場門前では、午前6時半から、争議解決や派遣法抜本改正を訴えて宣伝を開始。出勤する労働者に、1時間で700枚のビラを手渡しました。
JMIU(全日本金属情報機器労働組合)いすゞ支部の男性は、「宇都宮地裁が会社の違法行為を認定した。いすゞで働くすべての労働者の権利のためにもたたかい続ける」と訴えました。
横浜市内では自動車パレードを行い、日産本社前で宣伝。自動車展示場のイベントに訪れた人たちが次々とビラを受け取っていました。
JMIU日産関連支部の男性は、「貧困と困難のなかでくじけそうなとき、多くの支援に励まされた。職場に戻れるまでたたかい抜く」と語りました。
支援共闘会議議長の水谷正人神奈川労連議長は、「全国の『非正規切り』のたたかいに連帯して大企業の責任を追及し、雇用破壊の原因をつくった派遣法の抜本改正を実現しよう」と呼びかけました。
二つの総行動には、日本共産党のもとむら伸子・参院愛知選挙区予定候補、はたの君枝元参院議員(参院神奈川選挙区予定候補)が参加しました。