2010年2月13日(土)「しんぶん赤旗」
原発はクリーン・エネルギー源というが…
〈問い〉電力会社は“原子力発電はCO2を出さないクリーンなエネルギー源だ”と宣伝しています。日本共産党はどう考えますか。(兵庫・一読者)
〈答え〉原子力発電は、火力発電と異なり、ほとんどCO2を出しません。これを根拠に、経産省や電力会社は、原発を温暖化対策の「中核的役割を担う基盤電源」「切り札」だと主張しています。これは、原発が放射能汚染という深刻な環境破壊を引き起こす危険性を無視した原発推進論です。
1986年のチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)では、深刻な放射能汚染が国境を越えて広がりました。原子炉周辺30キロメートルは、いまだに原則立ち入り禁止となっています。日本では、東海地震の想定震源域の真上に浜岡原発があり、原発の地下や近くに活断層が次々と確認されるなど、地震による重大事故の危険性もあります。
原発の使用済み燃料など放射性廃棄物の処分方法も未確立です。使用済み燃料はきわめて強い放射能をもっており、その危険性は数万年も持続します。政府は、地下深くに埋設するとしていますが、長期にわたって安全性が確保される保障はありません。
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)も、原発には「安全性、核兵器拡散、核廃棄物の問題」があると指摘しています。技術的に未確立で、安全性が確保されていない原発からは、計画的に撤退すべきです。
これまで日本政府は、基幹電源として原発を推進し、その一方で、再生可能エネルギーの利用を軽視してきました。温暖化対策のためには、省エネルギーの徹底をすすめるとともに、化石燃料依存や原発推進から脱却し、再生可能エネルギー重視へと、エネルギー政策を抜本的に転換することが求められます。
日本共産党の第25回党大会決議は、温暖化対策のために「化石燃料依存をあらため、再生可能エネルギーの利用を抜本的に高める。温暖化対策を口実にした原発推進は、放射能汚染という深刻な環境破壊を生みだすものであり、反対する」ことを明記しています。(剛)
〔2010・2・13(土)〕