2010年2月16日(火)「しんぶん赤旗」

米軍再編経費

481億円増 グアム・岩国で本格化

10年度予算案

赤嶺議員への説明で詳細判明


 2010年度予算案に計上されている在日米軍再編経費(1320億円=歳出ベース、対前年度比481億円増)の内訳(表)が、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員への防衛省の説明で明らかになりました。

 焦点となっている米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移転」経費を維持した上で、それ以外の部分で大幅に増やしています。「日本側の負担総額2〜3兆円」(米国防総省)とされる在日米軍再編「ロードマップ」が、14年の完了を視野に本格的な実施段階に入りつつあることがうかがえます。

 米海軍厚木基地(神奈川県)から米海兵隊岩国基地(山口県)への空母艦載機移転 前年度比で約3倍に。施設整備費の詳細が今回、初めて明らかになりました。独身下士官兵舎(合計4棟。600〜700人分)、航空機整備施設(5棟)、消音装置(2棟。防音施設を施した建物)などの建設費を計上。艦載機59機の駐機場や格納庫、輸送ターミナル、倉庫などの設計費も計上されており、岩国関連経費はさらに膨れ上がることが想定されます。

 また、米軍用地として岩国市内の愛宕山地域約75ヘクタール分の買収費用199億円(契約額)を初めて計上しました。

 米領グアムへの在沖縄米海兵隊「移転」 前年度比約36%増。アプラ港(グアム海軍基地)での港湾運用部隊司令部庁舎(地上3階)、診療所(同1階)、海兵隊新基地候補地のフィネガヤン地区(米海軍通信基地)への消防署(同1階)建設費を計上しています。海兵隊家族住宅の整備などに関わり、日本政策金融公庫への交付金4億円を初めて計上しました。

 これらはまだ、グアムでの海兵隊基地建設の一部にすぎません。このまま計画が進めば、来年度からは数十棟の海兵隊関連施設の建設費が計上されることが予想されます。

 普天間「移設」 来年度予算案では、「移設先未定」となっていますが、決まった場合は予備費(3500億円)を充てる方針です。一方、沖縄・名護市辺野古の米海兵隊キャンプ・シュワブ沿岸部への新基地建設を前提とした兵舎などの移設工事は継続。「辺野古」案も依然、有力な「移転先」となっています。

表


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