2010年2月18日(木)「しんぶん赤旗」
製造派遣禁止に抜け穴
批判にも修正なく
厚労相諮問
長妻昭厚生労働相は17日、労働者派遣法を改正する法案要綱を労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)に諮問しました。厚労省は月内に答申を得て、改正案を3月上旬までに国会に提出する考えです。
要綱は、大きな抜け穴があると批判が強かった昨年12月の労政審の答申内容を「何も引かず、足していない」(厚労省)と踏襲した内容です。仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型や製造業派遣を「原則禁止」するとしていますが、登録型は専門26業務を「その限りでない」と容認。製造業は短期契約の更新を含む「常時雇用(常用型)」を禁止の例外として認めています。
要綱はまた、派遣先が労働者を選ぶ「事前面接」を認めることにつながる「特定行為」を認めています。派遣労働者の待遇を派遣先の労働者と同等にする問題では、「均衡を考慮」とあいまいな表現になっています。
偽装請負など違法派遣があれば、派遣先が労働契約を申し込んだとみなす制度を創設しました。派遣先がこれを拒み、行政の勧告に従わない場合、公表できるとしました。ただ労働契約の申し込みが正社員雇用となっていないこと、派遣先が違法と知らなかった場合、適用を除外するなど不十分な内容です。
原則禁止する登録型と製造業派遣は、猶予期間を3年とし、登録型の一部業務はさらに2年延長して最長5年という長期の先送りとなっています。