2010年2月24日(水)「しんぶん赤旗」
温室ガス
25%減 条件つけるな
吉井議員要求 累積多量 先進国の責任
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日本共産党の吉井英勝議員は23日の衆院予算委員会で、地球温暖化対策について質問し、日本政府は条件を付けずに温室効果ガスの25%削減を実行し、国際社会をリードすべきだと迫りました。
鳩山政権は、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議を受けて提出した国際目標で25%削減を掲げたものの、「すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築及び意欲的な目標の合意」を前提条件にしています。
吉井氏は、国際機関のデータから主要な排出国の現状を指摘。1人当たりのCO2(二酸化炭素)排出量を、途上国インドの国民1人当たりの排出量と比べると、米国は15・9倍、日本は8・1倍になることを示し、条約に定められた「共通だが差異ある責任」の原則で臨む必要があると述べました。
さらに吉井氏は1850年以降の累積量では、日本が人口大国・中国の半分近くまで排出してきたというデータ(図)を示し、「(累積)排出量が多い先進国には、それだけ削減の責任がある」と強調。政府としても、温暖化対策の基準になっている1760年代の産業革命以降の累積データを算出して国際交渉に臨むべきだと指摘しました。
小沢鋭仁環境相は、「公平性を考える場合、根拠のある数字は重要だ。省としてもトライしてみたい」と答弁しました。
吉井氏は、日本政府が「差異ある責任」を自覚して独自に25%削減に取り組み、他国をリードすることが、累積排出量で、世界の3割を占める米国にも、急増の傾向にある途上国にも排出削減を迫る力になると力説しました。
小沢環境相が「私としては、前提条件なしでも25%削減をしたいが、『地球益』と『国益』のバランスも考えながらやっていかなければならない」などと答弁したのに対し、吉井氏は、重ねて条件なしの削減目標実行を求めました。
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