2010年2月25日(木)「しんぶん赤旗」
「構造改革」批判相次ぐ
衆院予算委中央公聴会 二宮氏らが公述
笠井・穀田氏質問
衆院予算委員会は24日、2010年度予算案に関する中央公聴会を開き、6人の公述人が意見を述べました。公述人からは、「前政権の新自由主義政策により社会は底割れ状況にある」などと、格差と貧困を拡大した「構造改革」路線を批判する意見が相次ぎました。日本共産党は、笠井亮、穀田恵二の両議員が質問に立ちました。
笠井氏は、神戸大学大学院の二宮厚美教授に、「子ども手当」に対する評価、社会保障政策における現金給付と現物給付のバランスについて質問。二宮氏は、「子どもは社会が育てるという子ども手当の理念は評価するが、政府の政策には、(公的に責任をもつべき)現物給付の面で後退がみられる。現物給付と現金給付の両方でちゃんとした体制をとっていかないと子育てのニーズに応えることはできない」と強調しました。
また、笠井氏は、「消費税増税で福祉予算を確保する」という議論についての見解をたずねました。
二宮氏は、「逆進的な反福祉財源で福祉財源を調達するというのは論理の矛盾だ」と指摘。消費税の福祉目的税化によって、その財源の範囲内で福祉施策を実施するということになると、憲法25条で保障された権利としての福祉や社会保障が変質してしまうと話し、「憲法に基づく課税原則は応能負担原則だ。所得税の累進強化に努めなければいけない」と述べました。
二宮氏はさらに、財政支出では何を優先すべきか、どういう形でムダを洗い出すかは、憲法に基づいて考えるべきだと力説。「軍事費の削減の根拠は憲法9条にある。福祉、教育は憲法で保障された国民の権利だ」と話しました。
穀田氏は、「法人税を引き上げ、証券優遇税制を見直すべきでは」と質問。立命館大学の高橋伸彰教授は、「法人負担を増やすのは賛成、証券取引税制についても議員の言われる通り」と答えました。
日本金融財政研究所の菊池英博所長は、導入後の20年間、国民が消費税でとられた約200兆円の82%が法人税減税に回されていると指摘し、法人税引き上げを主張しながら、「消費税増税抜きの税収増をすべきだ」と述べました。
■関連キーワード