2010年3月7日(日)「しんぶん赤旗」
八ツ場ダム 中止当然
塩川議員 住民に補償必要
衆院委
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日本共産党の塩川鉄也議員は5日の衆院国土交通委員会で、八ツ場ダム建設計画は中止が当然であり、政府の対応として、真摯(しんし)な謝罪、中止理由の丁寧な説明、生活再建策と地域振興策を住民とともにつくることが必要と主張しました。
塩川氏は「八ツ場ダム中止の固有の理由は何か」と質問。前原誠司国土交通相は「治水計画は達成できるか疑問。利水面も節水や人口減で需要の見直しが必要」と述べました。塩川氏は、「これまで国は治水対策でも利水対策でも八ツ場ダムが必要だと住民・流域都県に説明してきた。中止を決めたのだから、治水、利水ともに役に立たないと明確に示してこそ住民の理解が得られる」と迫りました。
その上で塩川氏が、「国策に翻弄(ほんろう)された住民にたいして、『被害者』である住民に何らかの補償が必要だ」と求めたのに対し、前原国交相は「新たな(地域)振興策が必要で、その中身を検討したい」と述べ、個人補償には言及しませんでした。
さらに塩川氏は、ダム建設に限らず大型公共事業を中止したとき、地域住民が受けた困難を償う生活再建や地域振興を義務付ける法律の制定を求めました。前原国交相は「現時点ではダムを中止した場合を考えている」など述べ、一般法の制定の考えのない立場を示しました。