2010年3月17日(水)「しんぶん赤旗」
地滑りの危険ただす
塩川議員 八ツ場ダム参考人質疑
衆院国交委
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衆院国土交通委員会で16日、群馬県八ツ場ダム問題に関する参考人質疑が行われました。日本共産党の塩川鉄也議員が、中止理由の住民・流域自治体への説明問題やダム建設がもたらす地滑りについて質問しました。
塩川氏は、建設されれば水没する川原湯温泉旅館組合の豊田明美組合長に対し、「建設中止の理由は政府からどのように聞いているか」と質問し、豊田氏は「少子化、人口減少、国の借金の三つの理由だ」と答えました。
塩川氏は政府の対応について、「八ツ場ダム建設に即した理由は説明されていない。八ツ場ダムは利水・治水上必要が無いということを丁寧に説明すべきだ」と述べました。
塩川氏は、奥西一夫京都大名誉教授がダム建設をおこなった場合、ダム周辺での地すべりが起こる可能性が高くなると陳述したことに対して「地すべり問題で被害を出した例などはあるか」と質問しました。
奥西氏はイタリアのバイオントダムで地すべりのためダムに津波が起こり、2000人の死者が出た例をあげた上で、「ダムの地すべりについては慎重な検討が必要であるにもかかわらず、八ツ場ダムの場合、政府は建設することを前提に、地すべり問題を検討してきた」と述べました。
豊田氏は、地すべりの問題について「移転に際し、安全面は織り込み済み。安全でないなら、詐欺に遭ったようなものだ」と述べました。
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