2010年3月17日(水)「しんぶん赤旗」

国保の減免 認めさせる

がん男性の訴え結実

市の不承認処分取り消し

石川・羽咋


 国民健康保険の一部負担減免申請が認められないのは納得できないとして、石川県羽咋(はくい)市の男性が不服審査請求し、1年近くかけて処分取り消しの裁決が届いたことから、男性を支援してきた人たちは「いのちの叫びが実を結んだ」と喜んでいます。

 きっかけは昨年3月、はくい社会保障推進協議会がおこなった「派遣村」(労働・生活相談会)で、男性が「医療費の窓口負担を軽減できないでしょうか」と相談したことからです。

 男性は「がんが発見され仕事ができなくなり、妻の年金(月8万2500円)だけで生活をしている。通院すると月2万円かかるので、3カ月ごとの通院にしている。窓口の負担を安くできないでしょうか」という切実な内容でした。

 男性は、同推進協議会の協力もえて「国保一部負担減免」申請をしましたが、羽咋市は「減免要綱がない」などの理由で不承認としました。そのため昨年5月、県国保審査会に不服審査請求を行いました。

 同審査会は、8カ月の審査をへた昨年12月、「審査請求人の生活実態に即して適正に処分されたものとはいえない」として取り消しを決定しました。

 この「裁決書」は、不当にも3カ月遅れて、今月12日に男性のところへ届けられました。

 同推進協議会は、「男性の叫びと、『社会的連帯の力で貧困を克服しよう』とした取り組みとが実を結んだものです。窓口の負担で困っている多くの人々につながる成果です。この裁決を力にして、『生活困窮者のための国保一部負担減免要綱』の創設自治体をふやしていきたい」としています。



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