2010年3月17日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党への偏見があるのはどうして?
〈問い〉日本共産党が政権を取るとソ連のようにならない?と言われました。社会主義への偏見があるのはなぜ?(奈良・一読者)
〈答え〉1930年代に当時のソ連指導者・スターリンは、社会主義の旗を捨て、ソ連を“スターリンが主人公”のような専制的な体制、人間抑圧の社会に変質させました。対外的には、他国を侵略、抑圧する大国主義、覇権主義の道に変質させました。60年代には、ソ連国家の総力をあげ日本共産党の打倒をねらう激しい干渉も加えてきました。また、自分たちの路線や、ソ連社会の実態を、「社会主義」の名で美化、正当化することもおこないました。
こうして「社会主義」の看板で世界に害をふりまく巨悪となったソ連の存在が、社会主義の理念・運動への誤解を広げる大きな要因になったのです。
社会主義への偏見を取り除くには、こうしたソ連の実態とともに、大多数の国民に日本共産党の全体像を知ってもらうことが大事です。
たとえば、党の歴史を知ってもらうことです。ソ連の横暴とたたかってきた党であること、ソ連が社会主義と無縁の社会に変質した歴史も解明してきたこと、などです。また、党の路線を知ってもらうことです。「議会の多数を得ての革命」路線を堅持していること、まず資本主義の枠内での民主的変革にとりくむこと、どういう段階の変革も国民の合意によって一歩一歩すすめること、などです。
未来社会の理念も知ってもらうことです。党の綱領は、社会主義日本で民主主義と自由の成果をはじめ資本主義時代の価値ある成果のすべてが受けつがれ、発展させられることを明らかにしています。人間が本当の意味で社会の主人公になる道が開かれ、「国民が主人公」という民主主義の理念が政治・経済・文化・社会の全体にわたって社会の現実になることを明らかにしています。そしてソ連の官僚・専制体制の誤りを絶対に再現させないこと、消費生活を画一化する「統制経済」を全面否定すること、市場経済を通じて社会主義にすすむこと、などの方針を明記しています。(徳)
〔2010・3・17(水)〕