2010年3月18日(木)「しんぶん赤旗」

岡田外相 有事核持ち込み 否定せず

笠井議員「“三原則”堅持せよ」


 岡田克也外相は17日の衆院外務委員会で、米軍核兵器積載艦船の日本寄港に関し、「(核兵器を作らず、持たず、持ち込ませずという)非核三原則を堅持する」としながら、「緊急事態」などで、核兵器を積んだ米艦船の一時寄港が必要な場合、「そのときの政権がギリギリの判断を、政権の命運をかけて行う」と述べ、“有事”の核持ち込みの可能性を認めました。日本共産党の笠井亮議員への答弁。笠井氏は岡田外相の答弁を強く批判し、非核三原則の堅持を求めました。


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(写真)核持ち込み問題で追及する笠井亮議員=17日、衆院外務委

 外務省が9日に公表した日米密約に関する「有識者委員会報告書」は、核持ち込みの密約文書「討論記録」の存在を認めながら、これを密約とは認めない見解を表明。岡田外相も、米政権が1991年と94年に水上艦船などから戦術核兵器を撤去する方針を決定したとして、「今後は日本に核が持ち込まれることはない」との見解を繰り返してきました。

 笠井氏は、米の政策決定は「通常」の場合についてであり、米国は「将来の危機」や「必要な場合」には随時、攻撃型原潜に核トマホークを搭載し、「使える能力を維持する」としていると指摘。岡田外相も「将来にわたって完全にないとはいえない。緊急事態における可能性は残している」と認めました。

 実際、2000年〜09年に核トマホーク搭載可能なロサンゼルス級攻撃型原潜の日本寄港は500回近くにのぼります。

 笠井氏は、艦船や航空機の核兵器搭載について肯定も否定もしない米国の政策も示し、「日米核密約があるもとでは、核兵器が持ち込まれる仕組みと体制は引き続き日本列島を覆っている」と指摘。密約を廃棄してこそ、核を持ち込ませないという原則の堅持が可能になると力説しました。

 笠井氏は、核トマホーク「退役」の影響を懸念する岡田外相の書簡に対するクリントン米国務長官の返書の有無を質問。同外相は返事はあったと認めながら、内容については答弁を拒否しました。



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