2010年3月18日(木)「しんぶん赤旗」
東・北富士演習場
米軍優先使用の「協定案」
防衛相、存在認める
紙議員が質問
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陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)と北富士演習場(山梨県)の優先使用を米軍に認めていた1962年3月2日の日米秘密協定案をめぐり、北沢俊美防衛相は17日の参院予算委員会で、同協定案について「存在している」と、政府として初めて認めました。一方で、「(協定は)合意に至らなかった」などと述べました。日本共産党の紙智子議員への答弁。
東富士演習場は、68年に自衛隊管理の日米共同基地になっています。紙議員は2005年3月の同予算委員会で、秘密協定案が、米軍は年間で最大270日間、同演習場を優先使用できるとした内容を盛りこんでいたことを明らかにしていました。
今回、新たに在日米軍司令部の活動報告書=「コマンド・ヒストリー」65年、66年版などを挙げ追及しました。
66年版のコマンド・ヒストリーには、「防衛施設庁長官は66年2月25日、北富士と東富士の同時解放に向けて作業するとの米側の提案を受け入れるとの内閣の決定を在日米軍司令部に伝えた」との記述があることを指摘。さらに、70年1月の米上院外交委員会の議事録には、「在日米軍は(富士演習場を)毎年270日使用する権利を有する」と書かれていることを示し、「協定案の存在を示すものではないか」と迫りました。
紙氏は、「東富士演習場は、全面返還が前提に成り立っている。270日の使用を認める秘密協定があればその前提に逆行し、地元住民をだましていたことになる」と批判しました。