2010年3月20日(土)「しんぶん赤旗」
車の欠陥を正面から追及できるのはなぜ?
〈問い〉 日本共産党と「しんぶん赤旗」が自動車の欠陥を正面から追及できるのはなぜですか。(群馬・一読者)
〈答え〉 無制限なモータリゼーションの拡大が交通事故を多発させてきました。2009年の交通事故は73万6千件、負傷者90万人、死者4914人にのぼります。交通事故から国民の生命と安全を守り、国民の「生存の自由」を保障することは重要な課題です。
自動車メーカーは毎年、自民党、民主党に献金し、新聞、雑誌、テレビなどマスメディアに多額の広告費を落としています。
日本共産党は企業・団体献金にも、政党助成金にも依存していない政党です。そのため文字通り「しんぶん赤旗」は、「タブーなく真実を伝える新聞」として、財界・大企業に正面からものがいえるのです。
交通事故を引き起こす原因はさまざまですが、とりわけ「自動車の欠陥と交通事故との関係」は不問に付されてきました。メーカーは自動車の欠陥をなかなか認めません。企業イメージを損ない、リコール(回収・無償修理)によって、莫大(ばくだい)な対策費用がかかるからです。
三菱自動車のクレーム隠しでは、ユーザーの訴えた苦情が数十年も放置されていました。02年の横浜市でのタイヤ脱落事故では、メーカーは部品の強度不足を知りながら、原因は「ユーザーの整備不良」と主張し裁判になりました。AT(自動変速)車の暴走事故では、ユーザーが「こんな車おかしい」と何度いっても「操作ミス」として受け入れられませんでした。
電子部品を多く搭載した最新の車で、ユーザーが車の欠陥を立証することは不可能に近い。そのためユーザーが車の異常を訴えても、一方的に「泣き寝入り」を強いられてきたのです。
自動車メーカーのコスト削減競争はとどまることを知りません。世界的な規模での部品の調達が始まっています。飽くなきコスト削減と品質の確保は大丈夫なのか。「赤旗」は、生活向上と安全な社会を願うさまざまな人々と手を携える「国民共同の新聞」としてがんばっていきたいと思います。(人)
〔2010・3・20(土)〕