2010年3月22日(月)「しんぶん赤旗」

「福祉の谷間」なくせ

難病患者らが勉強会

東京


 「難病・慢性疾患と障害―制度の谷間をなくすために」をテーマに、日本難病・疾病団体協議会(JPA)の「今後の難病対策」勉強会実行委員会は21日、第14回勉強会を東京都内で開きました。

 難病や慢性疾患の患者は現在、「障害者」として福祉サービスなどを受けることができません。内閣府の「障がい者制度改革推進会議」では、障害者自立支援法廃止後の新たな制度には、「福祉の谷間」におかれる人がないようにしていく方向で動いています。病気を抱えた当事者が望む新制度は何かを話し合いました。

 水谷幸司実行委員長は冒頭、「私たち患者が必要としているのは、医療的支援だけでなく生活、福祉支援も必要です。今の『障害』の枠組みを超えていかなければいけないのではないでしょうか」と問題提起しました。

 医療が欠かせない患者の大きな悩みの一つに高額な医療費の問題があります。医療費の自己負担軽減を求める発言が相次ぎました。

 就労の困難さについて、多くの患者団体からだされました。その中で、「福祉的就労ではなく、常用雇用を望んでいる」(全国多発性硬化症友の会)などの声があがりました。

 遠位型ミオパチーの男性(30)は現在、車いすを利用しています。「自立するために仕事をしているのに、通勤するために移動サービスは利用できない」と指摘し「障害者自立支援法の矛盾を感じる」と話しました。

 水谷実行委員長は最後に、「医学が発展して、疾病とかかわりのある障害が多く出てきている。医療福祉の重要性を発信していきたい」と決意を述べました。



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