2010年3月29日(月)「しんぶん赤旗」
和解所見受け入れ
水俣病未認定患者が総会
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水俣病の未認定患者でつくる水俣病不知火患者会の会員が国・熊本県、チッソを被告とした「ノーモア・ミナマタ訴訟」の原告団(大石利生原告団長、2123人)は28日、水俣市体育館で総会を開き、熊本地裁(高橋亮介裁判長)が和解協議の中で15日に示した所見を受け入れることを圧倒的多数で決めました。
国、県、チッソはすでに受け入れる方針を固めており、29日の同地裁での協議で、全当事者が所見を受け入れることになります。
総会では、所見内容を園田昭人弁護団長が説明。大石原告団長は、国を和解のテーブルにつけさせたことについて「水俣病裁判史上初めて。私たちのたたかいが国を追いつめた」と指摘。所見受け入れの理由として「(水俣病かどうかの判断をする)第三者委員会がつくられ、患者側の医師も入ることで、これまでのような行政側の一方的切り捨てを大幅になくすことができる」「一時金、医療費、療養手当の3本柱と団体一時金がそれぞれ支給される」「すでに55人がなくなっており、早期の救済が求められている」などをあげました。
また、所見では1969年以降生まれの人が対象外となるなど問題点が残されていることを指摘。健康調査とともに引き続き国に求めていく決意を表明しました。
会場からは、「69年以降生まれの11人が対象外になる。国と交渉してほしい」などの声が出され、大石団長は、全被害者の救済に向け、これからも全力を挙げる決意を表明しました。