2010年3月30日(火)「しんぶん赤旗」

水俣病和解 前向きの側面

市田書記局長 3点の課題も指摘


 日本共産党の市田忠義書記局長は29日の記者会見で、「ノーモア・ミナマタ訴訟」原告団が同日、熊本地裁の所見受け入れで基本合意したことについて、「前向きの側面をもつものだ。国を和解の現場に引っ張り出したのは、原告や被害者のみなさん、弁護団のみなさん、そしてそれを支えた国民の世論の力だ」と表明しました。

 同時に市田氏は、「所見の内容は全面解決には程遠く、多くの課題が残っている」として次の3点を指摘しました。

 (1)和解の対象は約4万人となっているが、専門家は潜在的な被害者が10万人以上いると指摘している。不知火海沿岸の居住経験者すべての健康調査が必要なのに、それに背を向けている(2)居住地によって救済・補償が受けられるかどうかが変わる上に、3年を期限に救済を打ち切るとしており、それ以降に声をあげた人は救済・補償の対象になる保証がない(3)1969年以降生まれの人の中にも水俣病の病状を持つ患者がいるのに、対象外とされている―ことです。

 市田氏は「患者会も、これは全面解決とはいえない、引き続き被害者全員の救済・補償のたたかいを継続するといわれている。私たちも全面的な解決のために国会内外で力をつくしたい」と述べました。





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